【白猫テニス】ヨシュアの思い出
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【目次】
ヨシュアの思い出
思い出1
あれっ。こんなところに
テニスコートなんて、
前からあったけ?
【ヨシュア】
これが、テニスのラケットか。
へえー……
【キャトラ】
あら、ヨシュアじゃない!
アンタもいつの間にか
テニス始めてたのね!
【ヨシュア】
あ、みなさん!
いや、そうじゃなくて、
僕はたまたま……
【アイリス】
ヨシュア君も始めてたなんて。
言ってくれればよかったのに。
大歓迎だわ♪
【ヨシュア】
あ、いえ、だから違ってて……
って、そんなに喜ばれるような
ことなんですか?
【キャトラ】
テニスの輪が着実に
広がってるわね!
うんうん、いいことだわ!
【キャトラ】
もーみんなテニスして、
爽やかに汗を流せばいいのよ!
ね、ヨシュアもそう思わない?
【ヨシュア】
あ……ええ、そりゃもう!
いいですよねえ、テニス!
【ヨシュア】
スポーツで己を研ぎ澄まし
己と向き合うことは、
己を強くしてくれます!
【ヨシュア】
(……ってこれ、前にどこかで
読んだ本の受け売り
なんだけど……)
【キャトラ】
……おおぉー!
すごいわヨシュア!
わかってるわね!
【ヨシュア】
え?
いやー、あはは。
それほどのことは!
【キャトラ】
妹にいつも世話を焼かせてる、
手のかかる子と思ってたら。
【キャトラ】
さては、すでにけっこう
テニス経験があるわね?
上級者ってやつね?
【ヨシュア】
いやー、ミレイユのことは
いいじゃないですかこの際。
あはは。
【ヨシュア】
……って、え?
テニス経験?上級者?
【アイリス】
あ、じゃあ私たちは
もう行くわね。
練習頑張ってね!
【キャトラ】
これは、思わぬところに
頼もしい選手がいたわね!
【ヨシュア】
あ、いや、そうじゃなくて。
ちょっと、みなさん……?
【ヨシュア】
……しまった。
うかつに知ったかぶり
しちゃったせいで……
【ヨシュア】
なんだかテニス上手いみたいに
思われちゃったようだぞ?
やったこともないのに。
【ヨシュア】
ミレイユにも注意されたことが
あったな。調子に乗ることが
あるから気をつけろって……
思い出2
……はぁ。困ったな。
テニスなんて全然やったこと
ないのに。
【ヨシュア】
キャトラさんたちに、
上級者だって誤解されちゃった
みたいだぞ?
【ヨシュア】
ここは、はっきりと
本当のところを言っておいた
方がいいよな!
【キャトラ】
あら、ヨシュア!
今日もやってるわね!
【ヨシュア】
あっ、来た来た!
みなさん、実はちょっと
お話が……
【キャトラ】
コートでよく会うわね!
もうすっかりここに入りびたり
なのかしら?
【アイリス】
それだけ熱心なのね。
ヨシュア君、すごいわ!
【ヨシュア】
いえ、そうじゃなくて。
実は……
【キャトラ】
よし!じゃあこんど、
アタシたちと一緒に
やりましょうよ!
【アイリス】
そうね。試合もしましょう!
ヨシュア君がどのくらい
強いのか、知りたいわ♪
【ヨシュア】
あー、いえいえいえ。
ですから、僕は……
【キャトラ】
あ、じゃあアタシたちは
行くから。こんど試合ね!
おぼえといてよ!
【キャトラ】
負けないわよー!
ね、ヨシュア、
アイリス!
【ヨシュア】
あのー!
ですからー!
僕の話を……!
【ヨシュア】
もしもーし……!
【キャトラ】
……ヨシュアはいま、自分を
見つめ直そうといろいろ
思いを巡らせてるようなの。
【アイリス】
ヨシュア君に宿ってる、
魔竜のこともあったものね。
【キャトラ】
それであの子、いろんなことに
興味を持ってやってみようと
思ってる。
【アイリス】
そう。テニスもきっと、
そのひとつなんだわ。
【キャトラ】
となれば、あの子のすることは
積極的に盛り上げて、後押し
してあげなきゃね!
【キャトラ】
いやー。なんだか親みたいな
心境だわ♪
【ヨシュア】
ま、また言えなかった……
思い出3
……
【ヨシュア】
……うん。
今ならだれもいない。
【ヨシュア】
キャトラさんたち、完全に
僕がテニス強いって
思ってるよな。
【ヨシュア】
なんだか困ったことに
なっちゃったけど。
【ヨシュア】
こうなっちゃったからには、
今からでも練習する
しかないよ。うん。
【ヨシュア】
ええっと、読んできた入門書に
よると、まずサーブの
基本は……
【語り手】
後ろがわの足に全体重を
乗せて、狙う方向へ腕を
まっすぐ伸ばしてトスします。
【語り手】
同時にテイクバックです。
手首や肘を使わないイメージを
心がけましょう。
【語り手】
打ちに行くとき、後ろ足から
前足へスムーズに全体重を移動
させるのが大事です。
【ヨシュア】
……っていうことだったな。
【ヨシュア】
……こんな感じかな?
よし。これを繰り返して
身につけよう。
【ヨシュア】
打ち返す練習もしたいけど……
どうすればいいだろう。
【ヨシュア】
ミレイユの手を借りれば……
いや、それはちょっとな……
【ヨシュア】
こんなマヌケな理由で始めた
ことを手伝わせちゃうのは、
兄としてどうなんだ?
【ヨシュア】
(理由を聞かれても
答えづらいし……)
【ヨシュア】
ミレイユはしっかり者で、
助けられてばかりだし。
僕ももっとしっかりしなきゃ。
【ヨシュア】
……っと。
ひとりごとばかり言ってないで
練習しようっと。
思い出4
下半身を早く決めることと、
腰の回転を意識しましょう。
上半身は力を抜いて。
【語り手】
バックハンドではボールを
しっかりと引きつけて、
肩が上がらないように。
【ヨシュア】
――よし。マシンを使わせて
もらえるおかげで、しっかり
練習できるぞ。
【ヨシュア】
(でも……なんだろう?)
【ヨシュア】
(入門書の通りにちゃんと練習
してるけど、なんだか全体的に
しっくりこない。なぜかな?)
【ヨシュア】
……ハッ!?
【ヨシュア】
……!
この感じは……!?
【ヨシュア】
いまのは、どこから来た
ボールだ?
……いや。そんなことよりも!
【ヨシュア】
さっき打ち返した時……
何も考えずにとっさに反応して
動いただけだけど。
【ヨシュア】
なんだかすごく、いい感触
だった気がするぞ!?
【ヨシュア】
……ためしに本のアドバイスは
ひとまず忘れて、ちょっと
打ってみるか。
【ヨシュア】
これは……やっぱり!
【ヨシュア】
目と体の反応にまかせて
感覚のままに動いた方が、
なんだか上手くいくぞ!
【ヨシュア】
本にある『良い動き』とは
ぜんぜん違うけど……そうか、
僕の体はこう動きたいのか!
【ヨシュア】
何か……つかめた気がする!
思い出5
やっと一緒にテニスできる日が
来たわね、ヨシュア!
【キャトラ】
まずはさっそく、ヨシュアの
腕がどれほどのもんか、
試合で見せてもらうわよ!
【アイリス】
よろしくね、ヨシュア君!
【ヨシュア】
よ、よろしくお願いします!
【ヨシュア】
あの……でも、その前に!
みなさんに言っておかなきゃ
いけないことがあります!
【キャトラ】
あら、何かしら?
【ヨシュア】
じつは僕……ついこの間まで
テニスなんてやったこと
なかったんです!
【ヨシュア】
なんだか、僕が上手いって
誤解させちゃったみたいで……
ごめんなさい!
【ヨシュア】
後からがんばって練習したん
ですけど、やっぱりどうしても
初心者は初心者で……!
【キャトラ】
……
【キャトラ】
あら。なんだーそうだったの!
それならそうと言ってくれれば
よかったのに。
【ヨシュア】
すみません……
……はあ~……!
や、やっと言えた~!!
【キャトラ】
最初にアタシたちがヘンに
盛り上がっちゃったのも
悪かったかしら。
【アイリス】
けっこう、言い出しにくい
空気にしちゃってたかも
しれないわね。
【アイリス】
あっ!それじゃ私たち、
無理にヨシュア君をテニスに
引き込んじゃったんじゃ?
【ヨシュア】
いいえ、そんなことは!
【ヨシュア】
きっかけはどうあれ、
始めたからには、ちゃんと
経験してみたいです!
【キャトラ】
いい心がけよ!
じゃ、楽しみましょ!
思い出6
……はあー!
ありがとうございました!
【アイリス】
ありがとうございました!
【キャトラ】
すごいじゃない、ヨシュア!
とても初心者とは思えない
試合ぶりだったわよ!
【ヨシュア】
えっ……そうですか?
感覚だけでやったのが、
やっぱり良かったのかな。
【キャトラ】
きっかけはどうあれ
テニスに触れてみて、どう?
【ヨシュア】
はい、楽しいですね!
それに……
【ヨシュア】
ひとりで練習してて、
僕自身について、ちょっと
発見がありました。
【ヨシュア】
そういうのもあって、
もっと続けてみたいなって
思ってます!
【アイリス】
そう!よかったわ♪
【キャトラ】
うんうん。
楽しむだけでもよし、
何かを追い求めるもよし!
【キャトラ】
だれだったか、
言ってたものね。
【キャトラ】
スポーツでオノレを研ぎ澄まし
オノレと向き合うことは、
オノレを強くする、ってね!
【ヨシュア】
うああああ!!
それはもういいです~!
ただの受け売りですから~!
【キャトラ】
まあとにかく、これで
テニス仲間がまた増えたわね!
これからも皆でやりましょ!
【アイリス】
ヨシュア君、よろしくね♪
【ヨシュア】
はい!
よろしくお願いします!
【ヨシュア】
やるからにはがんばるぞ!
うおおおおー!!
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